場所別「好き」「必要」ガイド

「好き」と「必要」で見直す洗面所・食品庫:小さなスペースから始める無理しない片付け

Tags: 片付け, 洗面所, 食品庫, 無理しない, 好き, 必要

導入:小さな場所から始める片付けの心地よさ

日々の暮らしの中で、ふと気づくとモノが増えている場所はありませんか。中でも洗面所や食品庫(パントリー)は、比較的狭い空間ながら、洗剤やストック品、食品など、ついつい溜め込んでしまいがちな場所です。どこから手をつけて良いか分からないと感じている方もいらっしゃるかもしれません。

家全体を一気に片付けるのは大変ですが、洗面所や食品庫のような小さな場所から始めることには、大きなメリットがあります。短時間でも変化が分かりやすく、達成感を得やすいため、その後の片付けのモチベーションにつながります。

この場所別「好き」「必要」ガイドでは、洗面所と食品庫に焦点を当て、「好き」なモノと「必要」なモノを区別する考え方で、無理なく片付けを進める具体的な方法をお伝えします。

洗面所・食品庫の片付け なぜ小さな場所から?

広範囲の片付けは体力も時間も必要とし、始める前に気おくれしてしまうこともあります。しかし、洗面所や食品庫なら、比較的短時間で区切りをつけることができます。

どちらも日常的によく使う場所であり、すっきり片付いていると日々の家事がスムーズになり、気持ち良く過ごせます。小さな場所だからこそ、「好き」で心地よい空間にする喜び、「必要」なモノがすぐに取り出せる便利さを実感しやすいのです。

「好き」と「必要」 片付けの基本を洗面所・食品庫に活かす

片付けの基本は、「好き」で残すモノと「必要」で残すモノを明確に区別することです。これは洗面所や食品庫でも変わりません。

この区別を意識することで、「なんとなく置いてあるモノ」「いつか使うかも、と思っているモノ」と向き合う基準が見えてきます。

【実践】洗面所の片付けステップ

さあ、洗面所から片付けを始めてみましょう。一度にすべてを終わらせようとせず、引き出し一つや棚一段からでも構いません。

  1. 現状を把握する: 洗面台の下、棚、引き出しなど、片付けたい場所全体を見渡します。何がどれくらいあるか、把握しましょう。
  2. すべてを一旦取り出す(難しければ少しずつ): 片付けたい場所のモノを、一旦すべて外に出してみます。床やテーブルに広げてみると、改めてその量に気づかされます。全て出すのが難しければ、引き出し一段分だけ、というように範囲を区切っても良いでしょう。
  3. 「好き」「必要」「不要」「保留」に分ける: 取り出したモノを以下の基準で分けていきます。
    • 好き: 見ているだけで、あるいは使うたびに気分が上がる、心地よいモノ。
    • 必要: 今、日常的に使っているモノ。あるいは、適切な量のストック。
    • 不要: 期限が切れている化粧品や医薬品、古くなったタオル、壊れているモノ、もう使わないサンプル品など。
    • 保留: どうするか迷うモノ。一旦まとめておき、他の場所を片付けてから改めて判断します。
    • 具体的な判断基準:
      • 使用期限: 化粧品や医薬品には使用期限があります。過ぎているものは不要です。食品庫の食品も同様です。
      • 使用頻度: 半年以上使っていないモノは、今後も使う可能性が低いかもしれません。
      • 状態: 傷んでいる、汚れている、古くなっているモノは手放すことを検討します。
      • 適正量: 洗剤やタオルなど、家族の人数や使用頻度に対して量が多すぎないか確認します。
  4. 不要なモノを手放す: 「不要」に分類したモノは、感謝の気持ちを持って手放します。ゴミとして処分したり、まだ使えるものはリサイクルに出したり寄付したりすることを検討しましょう。
  5. 「好き」「必要」なモノを収める: 残すことにしたモノを、使いやすく収めていきます。
    • 収納アイデア:
      • 使う場所の近くに置く: 頻繁に使うものは、洗面台のすぐそばなど、取り出しやすい場所に。
      • 種類別に分ける: タオル、洗剤、化粧品、掃除用品など、種類ごとにまとめておくと探しやすいです。
      • 立てる収納: 引き出しの中の化粧品やボトル類は、立てて収納すると何があるか一目で分かります。仕切りを活用するのも効果的です。
      • ボックスやカゴを活用: 細かいモノや、あまり頻繁に使わないストック品は、ボックスやカゴに入れて棚に収めるとすっきり見えます。中身が分かるようにラベリングするのもおすすめです。

【実践】食品庫・パントリーの片付けステップ

次に、食品庫やパントリーに取り組みましょう。こちらも、棚一段や引き出し一つから始めてみましょう。

  1. 現状を把握する: 食品庫全体、棚、引き出し、床置きしているものなど、何がどこにあるか確認します。
  2. すべてを一旦取り出す(難しければ少しずつ): 片付けたい範囲の食品をすべて外に出します。
  3. 「好き」「必要」「不要」「保留」に分ける: 取り出した食品を以下の基準で分けていきます。
    • 好き: お気に入りの調味料、常にストックしておきたい特別なお菓子など。
    • 必要: 今、日常的に使う食材や調味料、適切な量のストック品。
    • 不要: 賞味期限が切れている食品、明らかに傷んでいる食品、使い方が分からないまま放置していた珍しい食品など。
    • 保留: どうするか迷う食品。
    • 具体的な判断基準:
      • 賞味期限・消費期限: これが最も重要な基準です。期限切れの食品は迷わず手放します。
      • 開封済みか: 開封済みのものは早めに使い切るように意識します。
      • 使用頻度: 半年以上使っていない調味料や食材は、今後も使わない可能性が高いかもしれません。
      • 適正量: 同じものがいくつもある場合、家族の消費ペースに合った適正量か確認します。(災害備蓄とは分けて考えましょう)
  4. 不要なモノを手放す: 期限切れや傷んだ食品は適切に処分します。まだ食べられるが不要なものは、フードバンクなどに寄付することも選択肢の一つです。
  5. 「好き」「必要」なモノを収める: 残すことにした食品を、使いやすく管理しやすいように収めます。
    • 収納アイデア:
      • 期限が近いものを手前に: 手前から使うように配置すると、食品ロスを防げます。
      • 種類別に分ける: 乾物、缶詰、調味料、レトルトなど、種類ごとにまとめておくと在庫が把握しやすいです。
      • 高さに合わせて収納: 背の高いボトルは奥に、小さな瓶は手前や段差をつけて置くなど、デッドスペースをなくす工夫をします。
      • バスケットやボックスを活用: 細かい調味料の小袋やレトルトなどは、バスケットにまとめておくと見つけやすいです。

「もったいない」気持ちと向き合う

洗面所の古い化粧品や、食品庫の期限切れ間近の食品など、「もったいない」という気持ちで手放しにくいモノもあるでしょう。長年、モノを大切にする習慣を身につけてこられたからこその感情です。

無理に捨てる必要はありません。食品であれば、期限内に使い切れるようレシピを調べたり、家族に協力を頼んだりしてみましょう。化粧品であれば、拭き掃除に活用できる場合もあります(使用上の注意を確認してください)。

どうしても使い切れない、活用も難しい場合は、感謝の気持ちを込めて手放すことも大切です。新しいモノを迎えるため、そしてすっきりとした空間で気持ち良く過ごすために必要なステップと捉えましょう。手放すモノ一つ一つに「ありがとう」と心の中で唱えるだけでも、気持ちが楽になることがあります。

無理なく続けるためのヒント

一度に完璧を目指す必要はありません。疲れてしまっては本末転倒です。

片付け後の心地よい空間を保つために

洗面所や食品庫が片付いたら、その状態を保つ工夫をしましょう。

片付いた洗面所は、清々しい気持ちで一日をスタート・リセットできる場所になります。食品庫が整っていると、料理もスムーズに進み、無駄な買い物を減らし、食品ロスも防げます。

まとめ

洗面所や食品庫のような小さな場所から片付けを始めることは、大きな片付けへの第一歩となります。 「好き」で心地よさをプラスし、「必要」なモノを使いやすく整える。この考え方でモノと向き合うことで、物理的な空間だけでなく、心の中もすっきりとしてくるはずです。

体力に自信がない方も、一度にたくさんできなくても大丈夫です。一日15分、引き出し一つから。ご自身のペースで、無理なく片付けを進めてみてください。小さな成功体験を積み重ねることで、必ず心地よい変化を実感できるはずです。