小さな場所から劇的に変わる!長年見ない引き出し・棚を『好き』『必要』で見直す片付け術
放置しがちな小さな場所から片付けを始めるメリット
ご自宅の中に、ついつい見て見ぬふりをしてしまう、小さな場所はありませんか。例えば、リビングの引き出しの奥、キッチンの棚の隅、玄関の収納ボックスなど、普段あまり開けない、あるいは開けてもすぐに閉めてしまうような場所です。長年の間にモノが溜まり、「いつか片付けよう」と思いながらも、なかなか手が付けられていないかもしれません。
大がかりな片付けは体力も気力も必要で、始めるのに躊躇してしまうこともあるでしょう。そんな時こそ、まずはこのような「小さな場所」から片付けを始めてみることをお勧めします。小さな場所の片付けには、驚くほど多くのメリットがあるのです。
長年見ない小さな場所に溜まりやすいモノとは
長年見ない場所には、どのようなモノが溜まっていることが多いでしょうか。
- 「いつか使うかも」と取っておいたモノ: サンプル品、古い取扱説明書、使わない文房具など
- 思い出の品: 学生時代のプリクラ、旅行で買った小さな souvenir (お土産)、昔の写真など
- 頂き物: 使わないまましまい込んだ贈答品、景品の小物など
- 中途半端なモノ: 故障しているかもしれない電化製品のコード、用途不明のネジ、使いかけの試供品など
- 探し物だったモノ: 以前探していたけれど見つからず、新しいモノを買った後で見つかったモノ
これらのモノが混在し、引き出しや棚の中で収拾がつかなくなっている状態かもしれません。モノがぎっしり詰まっているのを見ると、さらに片付けが億劫になってしまうものです。
小さな場所の片付けがもたらす効果
小さな場所の片付けは、わずかな時間と労力で始められますが、その効果は決して小さくありません。
- 手軽に始められる: 大掛かりな準備は不要です。引き出し一つ、棚板一枚分から始められます。
- 短時間で終わる: 範囲が狭いため、集中すれば短時間で完了できます。
- 達成感を得やすい: 短時間で目に見える変化が得られるため、「できた」という達成感を感じやすく、次の片付けへのモチベーションにつながります。
- 判断の練習になる: 少ないモノで「好き」か「必要」かを判断する練習になります。モノとの向き合い方のコツを掴むのに適しています。
- 家全体の片付けの糸口になる: 一箇所でも片付くと、他の場所も片付けたくなる、良い流れが生まれます。
『好き』と『必要』で見直す判断基準
さて、いよいよ小さな場所のモノを見直す番です。ここで大切なのが、サイトのコンセプトでもある「好き」と「必要」という二つの基準でモノを判断することです。
ステップ1:全てのモノを出す(無理のない範囲で) 片付けたい場所のモノを、全て外に出してみましょう。難しい場合は、半分だけ、あるいは取り出せるモノだけでも大丈夫です。何がどれくらいあるのかを把握することが第一歩です。
ステップ2:「好き」「必要」「保留」に分ける 出したモノを、以下の3つのグループに分けていきます。
- 「好き」なモノ: 見ているだけで心が和むモノ、思い出が詰まった大切なモノ、純粋に好きなデザインや感触のモノなど。「必要」ではないけれど、持っていることで気持ちが豊かになるモノです。
- 「必要」なモノ: 現在使っているモノ、近いうちに使う予定があるモノ、ないと困るモノ、保管しておくべき書類など、生活する上で機能的に必要なモノです。
- 「保留」のモノ: 「好き」か「必要」か、すぐに判断できないモノです。
判断に迷う時の具体的な問いかけ
特に判断に迷う「保留」のモノについては、ご自身の状況に合わせて、いくつかの問いかけをしてみましょう。
- 「好き」について:
- これを見ると、どのような気持ちになりますか?
- 本当に心から「好き」と思えるモノですか?それとも「もったいないから」取っているだけですか?
- 「必要」について:
- 最後にこれを使ったのはいつですか?(例えば、1年以上使っていないモノは「必要」ではないかもしれません)
- これがなくても、他のモノで代用できますか?
- これを持つことで、生活が便利になりますか?
- 「保留」について:
- なぜ手放せないのですか?(「もったいない」「いつか使うかも」「思い出がある」など、理由を明確にしてみましょう)
- 「いつか使う」は具体的にいつですか?(具体的な予定がない場合は、手放すことを検討しても良いかもしれません)
- 一年後に、これを持っている自分の姿を想像できますか?
長年見ない場所にあるモノは、「いつか使うかも」という理由で「必要」グループに入れたくなることが多いかもしれません。しかし、本当に必要なモノであれば、普段から手に取る場所に置いているはずです。「長年見ない」ということは、「現在の生活ではあまり必要とされていない」可能性が高いと考えられます。
思い出の品で「好き」か「必要」か判断が難しい場合は、無理に手放す必要はありません。「好き」なモノとして大切に保管する、あるいは手放す以外の方法(写真を撮る、データ化するなど)を検討することもできます。
小さな場所の片付け実践例:リビングの引き出し
リビングの引き出し一つを例に、片付けのステップを見てみましょう。この引き出しには、文房具、薬、レシート、小物などがごちゃ混ぜになっているとします。
- 引き出しのモノを全て出す: テーブルの上に広げてみましょう。
- 分類する:
- 好き: 可愛いメモ帳(使ってないけど見てるだけで嬉しい)、旅行先で買ったお気に入りのキーホルダーなど
- 必要: よく使うボールペン、ハサミ、体温計、爪切り、常備薬、よく見る書類(取扱説明書など)
- 保留: 古い携帯の充電器、何かの景品でもらったタオルハンカチ、書き損じのはがき、期限切れそうなポイントカード、数年前の年賀状など
- 「保留」のモノを見直す:
- 古い充電器:今の携帯に合わないなら手放す。
- 景品のタオル:使っていないなら、必要な人に譲るか手放す。
- 書き損じはがき:交換可能か確認し、交換しないなら手放す。
- ポイントカード:期限切れなら手放す。あまり行かないお店なら今後使うか検討し、使わないなら手放す。
- 古い年賀状:個人情報に注意して手放す。特に保管したいモノだけ「好き」として別の場所にまとめることも検討。
- 手放すモノを決める: 「好き」「必要」以外のモノで、手放すと判断したモノをまとめておきます。
- 残すモノを整理・収納する:
- 「好き」なモノは、時々見返せるように手前に置くなど、特別感を持って収納します。
- 「必要」なモノは、使用頻度に合わせて手前や取り出しやすい場所に収納します。ペンはペン立てに、常備薬は小さなボックスにまとめるなど、種類ごとに定位置を決めると、次に使う時に迷いません。
- 引き出しの中に仕切りケースなどを活用すると、より整理しやすくなります。
無理なく続けるためのコツ
片付けは、一度に完璧を目指す必要はありません。特に体力に自信がない場合や、途中で疲れてしまった場合は、以下の点を意識してみてください。
- 時間を区切る: 「今日はこの引き出しだけ」「15分だけやってみよう」など、短時間で区切りをつけます。タイマーを使うのも有効です。
- 完璧を目指さない: 全てのモノを完璧に整理する必要はありません。まずは「好き」「必要」に分けるだけでも大きな進歩です。
- 疲れたら休む: 無理は禁物です。疲れたら潔く中断し、また元気な時に再開しましょう。
- 小さな達成感を喜ぶ: 一箇所でも片付けが終わったら、「ここまでできた」と自分を褒めてください。その小さな達成感が、次への活力になります。
- 一つずつ進める: 複数の場所を同時に進めるのではなく、一つの小さな場所が終わってから次に移るようにすると、混乱せず集中できます。
片付け後の小さな変化を楽しむ
小さな場所の片付けが完了すると、そこを開けるたびに気持ちがすっとするのを感じるでしょう。探し物をすることが減り、必要なモノがすぐに取り出せるようになります。見た目がすっきりするだけでなく、日々の小さなストレスが軽減されるのです。
例えば、リビングの引き出しが片付くと、探し物のイライラがなくなり、ちょっとした書き物をする時の気分が変わります。キッチンの棚の隅が片付くと、使いたい道具がすぐに見つかり、料理がスムーズに進むかもしれません。
このように、小さな場所の片付けは、目立たないけれど確実な効果をもたらし、暮らしの質を少しずつ高めてくれます。
まとめ:小さな一歩が、心地よい暮らしへの大きな変化に
長年見て見ぬふりをしてきた小さな場所の片付けは、大がかりな片付けへの第一歩として非常に効果的です。「好き」と「必要」を基準にモノを見直し、無理のないペースで少しずつ進めてみてください。
小さな場所が片付くたびに得られる達成感は、次の場所に取り組む勇気をくれるでしょう。そして、家の中のあちこちにある小さな場所が整うことで、いつの間にか家全体がすっきりとした、より心地よい空間に変わっていくはずです。
まずは、ご自宅の中で一番気になっている、小さな「開かずの間」から始めてみませんか。その小さな一歩が、きっとあなたの暮らしを豊かにする大きな変化につながります。