場所別「好き」「必要」ガイド

長年開けていない押し入れ・納戸の片付け:「好き」と「必要」で見直す無理しない手順

Tags: 片付け, 押し入れ, 納戸, 整理収納, 好きと必要, 無理しない片付け

長年開けていない押し入れ・納戸の片付け:「好き」と「必要」で見直す無理しない手順

自宅の中に、つい「開かずの間」のようになってしまっている押し入れや納戸はありませんでしょうか。扉を開けるのも億劫に感じるほど、モノがぎっしりと詰まっているかもしれません。何から手をつけて良いか分からず、つい見て見ぬふりをしてしまう、という方もいらっしゃるかと思います。

特に、長年お住まいの家では、家族の成長やライフスタイルの変化に伴い、使わなくなったモノや思い出の品が自然と溜まっていくものです。お子様が独立されたり、ご自身の時間が持てるようになったりした今、こうした空間を見直して、すっきりとした暮らしを手に入れたいとお考えの方も多いでしょう。

この記事では、長年開けていない押し入れや納戸を片付ける際に、「好き」なモノと「必要」なモノを基準にして、無理なく、ご自身のペースで進める具体的な方法をご紹介します。一度にすべてを終わらせようとせず、小さな一歩から始めてみましょう。

なぜ押し入れ・納戸は「開かずの間」になりやすいのか

押し入れや納戸にモノが溜まってしまうのには、いくつかの理由が考えられます。

こうした理由が重なり、「いつの間にかモノであふれてしまった」「何が入っているか分からないから手が出せない」という状況になりやすいのです。

片付けを始める前の準備と心構え

いざ片付けを始めようと思っても、どこから手をつけたら良いか、体力的に大丈夫かと不安に感じるかもしれません。無理なく進めるために、まずは以下の準備と心構えを持つことから始めましょう。

  1. 完璧を目指さない: 一日で全てを終わらせる必要はありません。目標は「少しずつでも前に進むこと」です。
  2. 短時間からスタート: 例えば「今日は引き出し一段だけ」「この棚のここだけ」というように、短時間で終わる範囲を決めて取り組むのがおすすめです。15分でも30分でも構いません。
  3. 必要な道具を用意する:
    • 分類用の箱や袋(「好き」「必要」「手放す」「保留」など、分けておくためのもの)
    • ゴミ袋(燃えるゴミ、燃えないゴミなど分別用)
    • 雑巾やウェットシート(片付けながら掃除もするため)
    • マスクやゴム手袋(埃っぽい場合)
    • カッターやハサミ(梱包を解くため)
    • 筆記用具や付箋(分類した箱にメモを貼るため)
  4. 安全に配慮する: 高い場所のモノを取る際は踏み台を使う、滑りにくい靴を履くなど、怪我のないように注意しましょう。

「好き」と「必要」で見分ける具体的なステップ

それでは、実際に押し入れや納戸の片付けを始めてみましょう。「好き」と「必要」を基準にモノを選び分けるステップです。

ステップ1:どこから始めるか決める

奥から無理に引き出すのではなく、手が届きやすく、比較的モノが少ないと感じる場所や、気になっている場所から始めるのがおすすめです。例えば、一番下の段、手前の引き出し、扉を開けてすぐの場所などです。

ステップ2:決めた範囲のモノをすべて取り出す

選んだ範囲のモノを、一旦すべて外に出します。この時、中に何が入っているかを改めて確認することができます。埃を拭き取るなど、簡単な掃除も一緒に行うと、後が楽になります。

ステップ3:取り出したモノを「好き」「必要」「手放す」「保留」に分類する

取り出したモノを、先ほど用意した分類用の箱やスペースに分けていきます。この分類が、「好き」と「必要」を見分ける重要な工程です。

ステップ4:「好き」と「必要」の判断基準を具体的に考える

分類する際に迷ったら、以下の基準を参考にしてみてください。

押し入れ・納戸のモノの具体例:

ステップ5:「手放す」モノと「保留」のモノを整理する

ステップ6:「好き」と「必要」なモノを収納する

残すと決めた「好き」なモノと「必要」なモノを、押し入れや納戸に戻します。この時、頻繁に使うモノは手前や取り出しやすい場所に、季節モノやめったに使わないモノは奥や上の段に収納するなど、工夫しましょう。収納グッズ(ボックス、ケース、突っ張り棒など)を上手に使うと、空間を有効活用できます。この段階で、モノの定位置を決めておくと、今後の片付けが楽になります。

捨てにくいモノとの向き合い方

押し入れや納戸には、感情的な価値が高いモノが多く眠っていることがあります。特に思い出の品は、なかなか手放す決断ができないものです。

ご自身の気持ちに寄り添いながら、罪悪感を感じすぎず、一つ一つのモノと対話するように進めることが大切です。

無理なく片付けを続けるためのコツ

一度に終わらせようとせず、少しずつでも継続することが成功の鍵です。

片付け後の空間活用アイデア

押し入れや納戸がすっきりしたら、どのように活用できるでしょうか。

空間に余裕ができると、モノを探す手間が省けるだけでなく、心にもゆとりが生まれます。

まとめ

長年開けていない押し入れや納戸の片付けは、労力がかかるように感じますが、「好き」と「必要」を基準に少しずつ進めることで、必ず変化が見られます。

一度に完璧を目指すのではなく、まずは短時間から、小さな範囲から始めてみてください。モノと向き合いながら、ご自身の「好き」や「必要」を再確認することは、これからの暮らしをより心地良くするための大切なステップです。

焦らず、ご自身のペースで。片付けを通して、すっきりとした快適な空間と、心穏やかな時間を取り戻しましょう。