無理なく安全に!押入れ天袋・クローゼット枕棚を「好き」「必要」で片付けるコツ
押入れの天袋やクローゼットの枕棚は、手が届きにくいため、ついついモノをしまい込んでしまい、何が入っているか分からなくなったり、取り出すのが億劫になったりしがちな場所です。特に長年暮らしていると、「いつか使うかも」「捨てるのはもったいない」といった気持ちから、季節外れのモノや思い出の品が溜まっていることも少なくありません。
高い場所の片付けは、体力的に負担がかかるため、どうしても後回しにしてしまいがちです。しかし、ここをすっきりさせることで、空間にゆとりが生まれるだけでなく、気持ちまで軽やかになる効果が期待できます。今回は、押入れやクローゼットの天袋・枕棚を「好き」と「必要」という基準で見直し、無理なく安全に片付けるための具体的なステップとコツをご紹介します。
天袋・枕棚にありがちなモノと片付け前の心構え
天袋や枕棚には、一般的に以下のようなモノが収納されていることが多いようです。
- 季節ものの家電(扇風機、ストーブなど)
- 季節ものの衣類や寝具(夏物・冬物の布団、毛布、こたつ布団など)
- レジャー用品(スキー・スノーボード用品、キャンプ用品、大きな浮き輪など)
- 子供の成長に伴い使わなくなったモノ(雛人形、五月人形、サイズアウトした衣類など)
- 思い出の品(古いアルバム、子供の作品、記念品など)
- 冠婚葬祭用品(普段使わないバッグ、靴、フォーマルウェアなど)
- いつか使うかも、と思ってとっておいたモノ
これらのモノの中には、確かに「必要」なものもあれば、今はもう「必要」ではないけれど「好き」だから残しておきたいもの、そして「好き」でも「必要」でもないけれど、なんとなく置いてあるものがあるかもしれません。
片付けを始める前に大切なのは、「一度に全部終わらせようと気負わない」ことです。高い場所の作業は無理は禁物です。今日はこの棚の右側だけ、明日は左側、というように、小さなエリアや短い時間で区切って進めるようにしましょう。
安全に進めるための準備とステップ
高い場所の片付けは、安全第一です。始める前に必ず準備をしましょう。
- 安全な踏み台や脚立を用意する: 安定した、ぐらつかないものを選びましょう。無理な体勢での作業は危険です。
- 作業しやすい服装に着替える: 動きやすく、汚れても良い服装を選びます。埃っぽいこともあるため、マスクや軍手、帽子なども用意すると良いでしょう。
- 仕分け用の箱や袋を準備する: 「好き」「必要」「保留」「手放す」など、仕分けたいカテゴリーの数だけ段ボール箱や丈夫な袋を用意します。
- 床の養生(必要であれば): モノを一時的に下ろすスペースの床が傷つかないか心配な場合は、ブルーシートや新聞紙などを敷いておくと安心です。
準備ができたら、いよいよ片付け開始です。
ステップ1:まずは目の前のモノを少しだけ下ろす
高い場所にあるモノを、安全に注意しながら少しずつ下ろします。一度に大量に下ろすと危険ですし、床がモノで溢れてしまうと作業しづらくなります。まずは、手が届きやすい範囲のモノから始めましょう。
ステップ2:「好き」と「必要」で見分ける
下ろしたモノを一つ一つ手に取り、「好き」か「必要」か、そしてそのどちらでもないかを考えます。
- 「好き」なモノ: 見ているだけで心が和む、大切な思い出が詰まっている、どうしても手元に置いておきたいと感じるモノです。
- 「必要」なモノ: 現在使っている、あるいは将来使うことが明確で、ないと困るモノです。季節家電や季節の寝具など、年に一度は使うものは「必要」と判断して良いでしょう。
- どちらでもないモノ: なんとなく置いてある、いつか使うかもと思っているが具体的な予定はない、見ていても何も感じないモノです。
判断に迷うモノは「保留」の箱へ一時的に置きます。すぐに結論を出さず、後で見返す時間を設けても構いません。大切なのは、今の自分にとって本当に価値があるか、ということです。
ステップ3:手放すモノ、残すモノを整理する
「手放す」と判断したモノは、種類別に分けます。ゴミとして処分するもの、リサイクルに出せるもの、寄付や譲ることを検討するものなど、適切な方法を考えましょう。
「好き」または「必要」と判断したモノは、元の場所に戻すか、より使いやすい場所への収納を検討します。天袋・枕棚に戻す場合は、今後使う頻度を考慮して手前に置くか奥に置くかを決めると良いでしょう。
判断に迷うモノ、捨てられないモノへの向き合い方
天袋や枕棚には、お子さんの成長記録や古い手紙、旅行の記念品など、思い出の品が眠っていることも多いでしょう。これらは「必要」ではないかもしれませんが、「好き」や「大切」という気持ちが強いモノです。無理に手放す必要はありません。
- 写真に撮る・デジタル化する: モノ自体は手放しても、写真に残したり、スキャンしてデータ化したりすることで、思い出は残せます。かさばるモノの整理に有効な方法です。
- コンパクトにまとめる: 大きな箱に入っている思い出の品を、必要なものだけ選んで小さな箱に移し替えたり、スクラップブックにまとめたりするのも良い方法です。
- 一時的に保留する: どうしても判断できないモノは、無理に決めず「保留」期間を設けてみましょう。半年後、一年後など、期限を決めて見返すと、意外とすんなり判断できるようになることもあります。
- 「思い出ボックス」を作る: 大切な思い出の品だけをまとめておく特別な箱を作り、そこに入る分だけを持つと決めるのも一つの方法です。
「いつか使うかも」というモノについても、具体的な使用時期や目的がない場合は、手放すことを検討する良い機会です。必要になった時に改めて手に入れることができるか、代用できるものはないか、などを考えてみると判断しやすくなります。
片付け後の収納と無理なく続けるコツ
片付けが終わった場所には、これから使うモノや大切なモノだけが残っているはずです。次に使うときのこと、安全にモノの出し入れができることを考えて収納しましょう。
- 重いモノは下に置く: 頻繁に出し入れしないものでも、重さのあるモノは下の段に収納するなど、重心を意識しましょう。
- 軽いモノや使用頻度の低いモノを天袋・枕棚へ: 天袋や枕棚は、季節モノやレジャー用品など、使用頻度は低いけれど体積がある軽いモノの収納に適しています。
- 収納ケースを活用する: 中身が見えるクリアケースや、取っ手のついたボックスなどを活用すると、整理整頓がしやすく、必要な時に安全に取り下ろしやすくなります。ケースにラベリングをして中身を明記しておくと、さらに分かりやすくなります。
- 一度に完璧を目指さない: 「今日はここまで」と決めたら、そこで作業を終えましょう。無理なく続けることが一番大切です。
- 定期的な見直し: 一度片付けても、時間が経つとまたモノが増えてしまうこともあります。半年に一度、一年に一度など、定期的に天袋・枕棚を見直す習慣をつけると、綺麗な状態を保ちやすくなります。
片付けがもたらすメリット
天袋や枕棚が片付くと、見た目がすっきりするだけでなく、様々なメリットがあります。
- 空間の有効活用: 使わないモノがなくなることで、収納スペースを本当に必要なモノのために有効活用できるようになります。
- 探し物の時間が減る: 何がどこにあるかが明確になるため、「あれどこにしまったかな?」と探す時間がなくなり、時間を有効に使えます。
- 安全性の向上: モノが詰め込まれていない状態は、落下などの事故を防ぎ、安全にモノを取り出すことができます。
- 気持ちのゆとり: 物理的な空間のゆとりは、心のゆとりにもつながります。整えられた空間で過ごす時間は、日々の暮らしに穏やかさをもたらしてくれるでしょう。
まとめ
押入れの天袋やクローゼットの枕棚は、見過ごされがちな場所ですが、「好き」と「必要」という基準で丁寧に見直すことで、すっきりとした快適な空間に変えることができます。安全に注意しながら、ご自身のペースで、少しずつ片付けを進めてみてください。高い場所にあるモノを整理することで、きっと新しい発見があったり、空間にゆとりが生まれて気持ちが晴れやかになったりするはずです。この記事が、あなたの片付けの一歩を踏み出すきっかけとなれば幸いです。